

★ウォーミングアップの効果
ウォーミングアップの記録への影響に関する研究によると、例えば800mのレースでは、15〜30分のウォーミングアップを行うことにより、記録を4〜5秒短縮できることがわかっている。ウォーミングアップは体温を上昇させ、肺において酸素と血液中のヘモグロビンとの結合を容易にし、さらに、心臓の活動水準の高まりとあいまって、血液の酸素運搬能力を高める。また、運動開始直後の酸素摂取能力や心臓の活動水準の運動能力への適応もすみやかになるため、運動中の筋の酸素負荷も少なくてよいことになる。その結果ランニング効率も1〜2%高まることがわかっている。また、心理面に及ぼす効果として、ウォーミングアップなしから生ずる肉離れなどを心配せずに、競技に集中できるメリットがある。
★クロスカントリー
丘陵、林間、海岸など複雑で変化に富んだ地形を利用して行われるランニングである。ヨーロッパやアメリカではトラックレースのないオフシーズンに各地で盛んにこの種の競技会が開かれている。トレーニングの手段として行う場合、平坦地ではなかなか鍛えるのが難しい筋肉群――大腿筋、腹筋、背筋、大腰筋、(インナーマッスル)足首など――を強化するとともに疲労回復ジョグとの効果もあり、レース後やハードトレーニングで心身ともに疲れたときに行うと有効である。
ちなみに、これをオートバイで行うのがモトクロス(モータークロスカントリー)であり、スキーで行うのがクロスカントリースキーである。
★ヒルトレーニング
文字通り、丘を利用したトレーニング。急な上り坂の上と下に平坦な土地がある地形を利用して行うトレーニングである。坂を上るときは腿を引き上げて、跳ぶようにキックし、上の平坦地でジョグをする。下りは勢いを利用したストライド走で一気に駆け下り、下の平坦地でダッシュとストライド走を繰り返す。この一巡を何セットか続けて行う。
このトレーニングでは、上りは負荷がかかって脚筋力を鍛えられ、下りは努力を要せずしてスピードを出すことが出来る。そのため走りこみで持久力をつけたあと、スピードへの慣れを養う練習方法としてたいへん有効である。
★インターバルトレーニング
一定の距離を、間に休息をとりながら繰り返し疾走することで、走力をたかめていくトレーニング方法です。このトレーニングは不完全休息のまま、再び激しい疾走にはいるので結果として心肺機能の発達が促され、スピードを維持する能力が高まる。
例えば、200m×20回や600m×7回など、疾走の距離や回数休息の長さなどを変化させることで多くのバリエーションが生まれる。実施に際しては、繰り返しの各回を平均したペースで行えるようにすることがポイントです。
★ファルトレーク
野外の自然を利用したトレーニング。草地や砂浜、森林の小道、公園などを奔放に走る。時には疾走し、時にはジョグをいれスピードに変化をつける。
ランナーの自由意志が尊重されるので長い時間走る喜びを感じながら効果が得られる。
持久力が高まるほか、しなやかなストライド、強い脚の筋肉、リラクゼーションも同時に獲得できる。走る楽しさを知るという意味で初心者におすすめのトレーニングである。
★L.S.D
Long Slow Distance の略で、長く、ゆっくり、距離を走りこむこと。スタミナを培い長距離の基礎を築き上げるには最適のトレーニングである。全力の50%ほどの負荷(1kmあたり6分から7分)を目安に長時間走ることにより脚筋の持久力、心肺機能の向上が見られる。また、毛細血管の隅々まで血液の循環が行われ効率のよい状態をつくりあげることができる。L・S・Dを行うに当たって注意すべき点は、速いペースにならないようにすることである。本来の目的の長くゆっくりとを忘れないようにする。
★マラニック
マラソンとピクニックを合体した言葉で、長時間、ときには一日がかりで行われる。質的にはかなり落とし、途中歩行、休息等を交えてもよい。後に疲労を残さず、持久力を養うことがその狙いとなる。スタミナをつけようと練習量をふやすと、とくに経験の浅いランナーは疲労を招き、故障に結びつくことが多い。その点、マラニックは無理なく行え、心身資源を最大限に開発することが出来る。ペースはL・S・Dと同じ。話をしながらでも気持ちよく走れる程度がよいでしょう。